早川の冬季釣場が解禁して、約1ヶ月が経ちました。
徐々に渋くなっていく早川、今回は個人的な早川冬季攻略を綴ってみようと思います。

ニジマスについて

今年の早川冬季には、前年よりも多くのニジマスが投入されています。
デッドフィッシュを差し引いても、まだ500尾以上は泳いでいるはずです。
しかしながらその残った魚達も、C&R特有のハイプレッシャー下にあります。
先ずはニジマス達の状態を考えることが、攻略の第一歩かとも思います。



当然ですが、冬季のニジマス達は養魚場から来たばっかりです。
天然循環個体とは、全くの別物と考えた方が良いと思います。
なのでどんなに綺麗な個体を選別しても、天然系より遊泳力は劣るものです。

彼等は養魚場から早川へ来て、長い個体でも1ヶ月しか経っていません。
養魚場では積極的に捕食しなくとも、ただ流れに乗っていれば、餌を撒いてくれていたんです。
つまり、ルアーへのアグレッシブなチェイスは、食性としてはかなり少ないと判断して良いと思います。



養鱒場では日々、特定の時間に餌を与えています。
その時間を、彼らは学んでいると考えても不自然ではありません。
また、養鱒場に訪れると分かりますが、彼らは人が来ると水槽の縁まで寄って来ます(^^;

冬季ニジマス達の特徴は、
1.流下するだけのペレットを食べて育っていたこと。
2.人への警戒心が極端に薄い事。
…攻略の糸口になるでしょうか?



ポイントについて

早川の冬季エリアは、様々なポイントから成ります。
私が見ているのは「波」。
それも水位の変動に関係なく、しっかりと存在する波です。

川の流れは複雑で、一口に波と言っても中々難しい。
ですが魚達は、自分の好きな波に定位していることが殆どです。
その波が縦なのか横なのか、それによって大型と小型の定位が概ね判断できます。

また一つ、私的な考察ですが…。
養鱒場でも、ニジマスに一定の水流を与え育てています。
一定の水流の中にいれば、餌が食べられる状態でした。

魚達は、その生命活動に無駄がありません。
極力無駄を省き、ただ定位しているだけで餌が供給される流れを好むのではないでしょうか。

瀬や淵、その流れの緩急。
または、岩などの障害物で分断される流れ。
一見流動変転する川の流れの中にも、ニジマス達が好む流れが見えてくる筈です。



因みにポイント選定には、自然物を利用しています。
分かり易いのは岩、流れの中にある岩は、明確に水位変動を記録しています。

また、流れつく落ち葉も良き判断基準になります。
落ち葉が示すのは水通し、そして見え辛い縦の波。

それらを総合的に判断した結果を、釣り人は「勘」と言っているのでしょうね。



実釣編~小型~

さあ、やっと釣りのお話です(^▽^;)

先ずは小型のニジマスを釣ってみたいと思います。
ここでも私的な狙い方を…
実釣に際し、飼育下でのニジマスの産卵周期を考えれば、個体間の喰い気の有無は概ね判断できます。
小型を狙うということは、産卵に絡まない個体を狙うと同意です。
河川全体を見渡した時に、産卵に適した場所ってありますよね。
その周囲には、小型はあまりいないということです。

そしてもう一つ。
飼育下での小型ニジマスって、何故か群れを作ります。
その群れの中で、これまた何故か餌を喰う順番みたいのがあります。
つまり、小型が一匹釣れたということは、まだ周辺に数匹居る可能性があるということかと思います。

そんな意識を持ちながら、早速釣って行きます!



1投目からヒットです。
この「1投目」、実はキャストからヒットまで、恐らく3分ぐらいかけた一投です。
まぁ、物は言い様ですね(^_^;)



小型のみに狙いを絞る際、私は必ず画像のタックルを使用します。
Rod SEN:KIN プロトロッドグラスロッド 5.6ft
Reel Garcia 3800
そしてルアーは大体SMITH AR-S 1.6g・2.1g

ルアーカラーは多分何でもいいと思います。

ラインはナイロンの2号、それにフロロリーダー0.6号を1.5m。
メインラインが太いのは、あえてラインにドラグをかける為です。

実際の釣り方は単純で、先ずは俗に言う「女波」を見つけます。
「女波」は川底へと下降する波です、この波さえ掴めれば、軽いルアーでも底波へ到達出来ます。

ルアーが底波に到達したら、メインラインが女波を捉えていることを確認します。
メインラインの位置がずれない様、リールのバックギアを使ってルアーを留めます。

AR-Sの良い所は、ナチュラルドリフトでもブレードが回転するところです。
そんな感じの長時間の「一投」を重ねていくと…



流石は須川養魚場の魚(^-^)
綺麗な個体が多いです、天然循環と間違われるのも納得のクオリティ。

因みに同じ場所で連発しました、やっぱりまだまだ養魚場が懐かしいんですね。

周囲をボカシても、分かる人は場所が分かりそうですね(^^;
まだまだいましたよ~!



実釣編~中・大型~

さて、小型をネチネチ狙うのは、何処か気が引けるものです。
なので小型用タックルは封印です!
強めのタックルで、大きな魚を狙っていきます!

Tackle
Rod SEN:KIN プロトカーボンロッド6.0ft
Reel SHIMANO Vanquish C3000HG
ラインは普通?にPE0.8にフロロリーダー8lbを2m。

比較的大きな魚を狙う時は、縦方向の緩流帯を意識します。
要は「男波」と「女波」が微妙に交じり合っているところです。

大型魚はその巨躯からか、ただ定位しているだけでも結構カロリーを消費するのでしょう。
沈みもせず、浮もしない。
そんな楽なポイントに、大型は定位する傾向にあるかと思います。

そうしたポイントに到達したことは、ルアーの挙動が教えてくれます。
女波に乗り一気にテンションが掛かったルアーが、男波へと移動する。
すると、一瞬ルアーのテンションがフッと軽くなります。
その真後ろに、大型は潜んでいます。



丁寧に送りこめたなら、後は口を使ってくれるのを祈るだけ。









45~60cm超の個体は、そんな感じで釣れる事が多い気がします。
因みに今年の早川、黒点が無いホウライ系ニジマスが多く放流されています。
彼らがまぁ強烈なファイターでして(^^;
「今日は大型を1本釣る!」みたいな狙い方も面白いかと思います。



使用ルアー

先ず圧倒的に釣れるのは、管釣り系のルアーです。
結局は管釣りに入れる魚が、自然河川に入っているということですので。

特にペレットを意識したルアーなんかは釣れるかと思います。
私は使っていないので、他の方の釣果を見ての感想です(^^;

あくまでもネイティブ系のルアーで言うと…

困った時のAR-S!
先程も紹介しましたが、確かに良く釣れます。
基本トリプルフックなので、シングルバーブレスに付け替える必要があります。
何も考えずに投げて巻くだけでも釣れちゃいます!







続いて小粒ながらも圧倒的釣果!
ティーグラビッツ36S!
小さなボディなので、沈めるのが案外楽です。
タダ巻きでは、良い感じのウォブリングを魅せます。
動き的には管釣りクランクの波動弱目といった感じ、それでいてバリバリのトゥイッチもこなす!
今のところ、ネイティブミノーの中では圧倒的に釣れます。





さて、ここまで色々と書いてみましたが、全て個人的な見解である事をお含みおき下さいm(__)m
実際フィールドに立つと、もっと情報量があります。
気温・水温・水量・水質・気圧・餌の量…etc
釣れる釣れないは、魚次第ですから(笑)

釣りというものは、何も魚を釣ることが全てでは無いと思います。
有名なアーネスト・ヘミングウェイも
「釣れない時は、魚が考える時間を与えてくれたと思えばいい。」
なんて言ってますしね(笑)

川に立ち、ちょっと立ち止まって考える。
我武者羅にキャストを繰り返すのではなく、より戦略的に釣っていく。
そうしてその人の釣りが熟成され、熟成されたスタイルは人を魅了していくものかと思います。
どなたかの釣りの、ほんの少しの一助になれば幸いです(^-^)